「遺言書を書いておきたいけど、どうやって書けばいいの?」「自分で書いても有効なの?」——遺言書は相続対策の最も基本的かつ重要な手段ですが、正しい形式で作成しないと無効になってしまいます。本記事では遺言書の種類・書き方・注意点を詳しく解説します。
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。全員の合意が得られなければ遺産を分けることができず、家族間のトラブル(争族)の原因になります。
遺言書があれば、原則として遺言書の内容通りに相続が行われ、相続人間の協議が不要になります。特に以下のような場合、遺言書の作成が強く推奨されます。
| 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 | |
|---|---|---|---|
| 作成方法 | 全文・日付・氏名を手書きし押印 | 公証人が作成・公証役場で保管 | 遺言者が作成・封印し公証役場で存在確認 |
| 費用 | ほぼ無料(法務局保管は3,900円) | 数万円〜(財産額による) | 数万円程度 |
| 検認手続き | 必要(法務局保管は不要) | 不要 | 必要 |
| 秘密保持 | △ | △(公証人・証人が知る) | ◎(内容を秘密にできる) |
| 偽造・紛失リスク | あり | なし(公証役場保管) | あり(本文は自己保管) |
| おすすめ度 | ◎(法務局保管と組み合わせて) | ◎◎(最もおすすめ) | △(あまり使われない) |
⚠️ 自筆証書遺言でよくある無効になるミス
📄 記載例
遺 言 書 私、齊藤一郎は、以下のとおり遺言する。 第1条 横浜市鶴見区○○町○丁目○番○号の土地及び建物は、 長男 齊藤太郎(昭和○年○月○日生)に相続させる。 第2条 ○○銀行○○支店の普通預金口座(口座番号○○)の 預金全額は、長女 齊藤花子(昭和○年○月○日生)に 相続させる。 第3条 その他一切の財産は、妻 齊藤幸子(昭和○年○月○日生) に相続させる。 第4条 遺言執行者として長男 齊藤太郎を指定する。 令和○年○月○日 住所 神奈川県横浜市鶴見区○○町○丁目○番○号 氏名 齊藤 一郎 (印)
| 財産の価額 | 公証人手数料 |
|---|---|
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 200万円以下 | 7,000円 |
| 500万円以下 | 11,000円 |
| 1,000万円以下 | 17,000円 |
| 3,000万円以下 | 23,000円 |
| 5,000万円以下 | 29,000円 |
| 1億円以下 | 43,000円 |
財産の価額が複数ある場合は合算します。証人の日当や出張費が別途かかる場合があります。
2020年7月から、自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)で保管できる制度が始まりました。
✅ 法務局保管のメリット
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現するための手続きを行う人です。遺言書で指定することができます。
遺言執行者がいると手続きがスムーズに進みます。特定の相続人ではなく、信頼できる税理士・司法書士・弁護士を指定すると中立的な立場で手続きが進められます。
遺言書の作成は「書いておくこと」が重要です。内容に迷う場合は、税理士・司法書士への相談をおすすめします。