「なんで相続税なんてあるの?」「自分で稼いだお金を子供に残してはいけないの?」——相続税への疑問や不満を持つ方は少なくありません。本記事では相続税がなぜ存在するのか、その仕組みと課税根拠をわかりやすく解説します。
相続税が存在する主な理由は以下の3つです。
親から子へ大きな富が無課税で移転し続けると、世代を超えて富裕層と貧困層の格差が固定化します。相続税はその格差を緩和するための富の再分配機能を持っています。
生前に蓄積された財産には、すでに所得税が課税されているものも含まれますが、含み益(値上がり益)など課税されていない部分もあります。相続税は所得課税を補完する役割があります。
相続税収は年間約2〜3兆円規模で、国の財政収入の一部を担っています。
相続税を払うのは財産を受け取った相続人・受遺者です。亡くなった方ではなく、財産を受け取った側が払います。
| 区分 | 納税義務 |
|---|---|
| 相続人(子・配偶者・父母・兄弟姉妹) | 取得した財産に応じて課税 |
| 受遺者(遺言で財産をもらった人) | 取得した財産に応じて課税 |
| 相続放棄した人 | 財産を受け取らないため課税なし |
相続税は各相続人・受遺者がそれぞれ個別に申告・納付します。連帯して納付する義務もありますが、基本は各自が取得した財産に応じて払います。
「相続税がかかるのは一部の富裕層だけ」というイメージがありますが、2015年の法改正(基礎控除の引き下げ)以降、課税される割合が増えています。
💡 相続税の課税割合(国税庁データ)
特に横浜市などの都市部では不動産の評価額が高いため、「うちは大丈夫」と思っていても相続税がかかるケースが増えています。
「所得税を払った後の財産にまた相続税がかかるのは二重課税では?」という疑問はよく聞かれます。法律的な見解としては、相続税と所得税は課税根拠が異なるため二重課税には当たらないとされています。
ただし感情的な「二重課税感」は多くの人が持つものであり、だからこそ基礎控除・各種特例による節税が認められています。
| 国 | 最高税率 | 備考 |
|---|---|---|
| 日本 | 55% | 6億円超の取得分に適用 |
| 韓国 | 50% | 30億ウォン超 |
| フランス | 45% | 直系卑属への相続 |
| アメリカ | 40% | 非常に高い基礎控除(約1,600万ドル) |
| カナダ・オーストラリア | なし | 相続税制度がない |
日本の最高税率55%は世界でもトップクラスですが、基礎控除・各種特例を活用すると実効税率は大幅に下がります。適切な節税対策が重要な理由がここにあります。