基礎知識

相続税はなぜかかる?仕組みと納税義務者・課税根拠をわかりやすく解説

📅 2024-12-28✍️ 監修:齊藤 勇飛(税理士)🕐 約10分
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「なんで相続税なんてあるの?」「自分で稼いだお金を子供に残してはいけないの?」——相続税への疑問や不満を持つ方は少なくありません。本記事では相続税がなぜ存在するのか、その仕組みと課税根拠をわかりやすく解説します。

相続税はなぜ存在するのか?

相続税が存在する主な理由は以下の3つです。

① 富の再分配(格差是正)

親から子へ大きな富が無課税で移転し続けると、世代を超えて富裕層と貧困層の格差が固定化します。相続税はその格差を緩和するための富の再分配機能を持っています。

② 所得課税の補完

生前に蓄積された財産には、すでに所得税が課税されているものも含まれますが、含み益(値上がり益)など課税されていない部分もあります。相続税は所得課税を補完する役割があります。

③ 財政収入の確保

相続税収は年間約2〜3兆円規模で、国の財政収入の一部を担っています。

相続税の納税義務者(誰が払う?)

相続税を払うのは財産を受け取った相続人・受遺者です。亡くなった方ではなく、財産を受け取った側が払います。

区分納税義務
相続人(子・配偶者・父母・兄弟姉妹)取得した財産に応じて課税
受遺者(遺言で財産をもらった人)取得した財産に応じて課税
相続放棄した人財産を受け取らないため課税なし

相続税は各相続人・受遺者がそれぞれ個別に申告・納付します。連帯して納付する義務もありますが、基本は各自が取得した財産に応じて払います。

相続税がかかる人の割合

「相続税がかかるのは一部の富裕層だけ」というイメージがありますが、2015年の法改正(基礎控除の引き下げ)以降、課税される割合が増えています。

💡 相続税の課税割合(国税庁データ)

  • 2014年(改正前):死亡者に対する課税割合 約4.4%
  • 2023年(改正後):死亡者に対する課税割合 約9.9%
  • 東京・神奈川など都市部では課税割合が15〜20%に達する地域もある

特に横浜市などの都市部では不動産の評価額が高いため、「うちは大丈夫」と思っていても相続税がかかるケースが増えています。

相続税の仕組みの全体像

  1. 遺産総額の計算:プラスの財産からマイナス(債務・葬儀費用)を差し引く
  2. 課税遺産総額の計算:遺産総額から基礎控除を差し引く
  3. 相続税の総額を計算:法定相続分で按分し速算表で計算・合計
  4. 各人の相続税額を計算:実際の取得割合で按分・各種控除を適用
  5. 申告・納付:10ヶ月以内に申告書を提出し現金で納付

相続税は二重課税?

「所得税を払った後の財産にまた相続税がかかるのは二重課税では?」という疑問はよく聞かれます。法律的な見解としては、相続税と所得税は課税根拠が異なるため二重課税には当たらないとされています。

ただし感情的な「二重課税感」は多くの人が持つものであり、だからこそ基礎控除・各種特例による節税が認められています。

日本の相続税は世界と比べて高い?

最高税率備考
日本55%6億円超の取得分に適用
韓国50%30億ウォン超
フランス45%直系卑属への相続
アメリカ40%非常に高い基礎控除(約1,600万ドル)
カナダ・オーストラリアなし相続税制度がない

日本の最高税率55%は世界でもトップクラスですが、基礎控除・各種特例を活用すると実効税率は大幅に下がります。適切な節税対策が重要な理由がここにあります。

まとめ

税理士 齊藤勇飛

監修:齊藤 勇飛(税理士)

齊藤勇飛税理士事務所 代表|東京地方税理士会 登録番号 第156779号

横浜市を中心に遺産相続・相続税申告を専門とする税理士。初回60分無料相談実施中。

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