手続き

相続税の延納・物納とは?現金が不足したときの対処法【申請要件と手続き】

📅 2024-12-21✍️ 監修:齊藤 勇飛(税理士)🕐 約10分
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相続税は原則として現金一括払いが必要です。しかし財産の多くが不動産や株式の場合、現金が不足して一括納付が困難なケースがあります。そのような場合に活用できるのが「延納」と「物納」です。本記事で要件・手続き・注意点を解説します。

相続税の原則:金銭一括納付

相続税は被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に現金で一括納付するのが原則です。クレジットカードやローンは使えません。しかし財産の大半が不動産・株式などの「換金しにくい財産」の場合、現金が不足するケースがあります。

延納とは?分割払いの仕組み

延納とは、相続税を年払いの分割払いで納税する制度です。最長20年(不動産の割合が多い場合)にわたって分割して納付できます。ただし分割払いの利子に相当する「利子税」がかかります。

💡 延納の最長期間

財産の状況最長延納期間
不動産等の割合が75%以上20年
不動産等の割合が50%以上75%未満15年
不動産等の割合が50%未満5年

延納の要件と申請方法

延納の主な要件

申請方法

申告期限(10ヶ月)までに「延納申請書」と「担保提供書類」を税務署に提出します。税務署が審査し、許可または却下の通知があります。

延納の利子税率

延納期間中は「利子税」が年率で課されます。2024年時点の主な利子税率(特例割合)は以下の通りです。

延納の区分利子税率(本則)
不動産等に係る延納相続税(不動産75%以上)年3.6%
不動産等に係る延納相続税(不動産50〜75%)年3.6%
動産等に係る延納相続税年5.4%

※実際の利子税率は「特例割合」(市場金利に連動)で計算されるため、上記より低くなる場合があります。

物納とは?不動産などで納税する仕組み

物納とは、現金ではなく不動産・有価証券などの現物で相続税を納める制度です。延納によっても金銭での納付が困難な場合に利用できます(延納→物納の順序が原則)。

⚠️ 物納は「延納でも払えない場合」の最終手段

物納は「延納しても金銭で納付することが困難」という要件があります。最初から物納を選ぶことはできません。

物納できる財産・できない財産

物納できる財産(優先順位あり)

  1. 不動産・船舶・国債・地方債・上場株式(第1順位)
  2. 非上場株式・社債(第2順位)
  3. 動産(第3順位)

物納できない財産(管理処分不適格財産)

延納と物納、どちらを選ぶべきか

延納物納
納付方法現金を分割払い不動産などの現物
利子税あり(年3〜5%程度)なし
財産の評価相続税評価額で国が収納(時価より低い場合が多い)
向いているケース将来的に現金化できる見込みがある不要な不動産を手放したい

物納は「相続税評価額」で財産を国に渡すため、時価(市場価格)より低い評価額で納税することになります。不動産の時価が評価額より高い場合は売却して現金納付・延納の方が経済的に有利です。

まとめ

税理士 齊藤勇飛

監修:齊藤 勇飛(税理士)

齊藤勇飛税理士事務所 代表|東京地方税理士会 登録番号 第156779号

横浜市を中心に遺産相続・相続税申告を専門とする税理士。初回60分無料相談実施中。

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