手続き・権利

介護した相続人は遺産を多くもらえる?寄与分の計算と主張方法

📅 2024-12-29✍️ 監修:齊藤 勇飛(税理士)🕐 約10分
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「自分だけが親の介護を続けてきたのに、遠くにいた兄弟と同じ割合でしか相続できないの?」——これは相続でよく聞かれる不満です。実は民法には、被相続人の財産維持・増加に貢献した相続人の相続分を増やす「寄与分」という制度があります。

寄与分とは?

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加に特別の貢献をした相続人が、法定相続分より多く遺産を取得できる権利です(民法904条の2)。

📌 寄与分の計算への組み込み方

寄与分がある相続人の相続額 = (遺産総額 − 寄与分) × 法定相続分 + 寄与分

つまり寄与分は「先取り」として取り分に上乗せされます。

寄与分が認められる5つのケース

① 療養看護(介護)

被相続人が病気・高齢で療養が必要な状態のときに、無償(またはそれに近い低額)で継続的に介護・看護を行ったケース。専業主婦が親の介護を何年も続けたようなケースが代表例です。

② 事業従事

被相続人の農業・事業に無償または低賃金で従事し、財産の維持・増加に貢献したケース。

③ 財産の管理

被相続人の不動産管理・修繕・維持に特別の貢献をしたケース。

④ 資金提供(扶養)

被相続人の生活費・医療費・住宅ローンなどを負担したケース。

⑤ 財産の取得・維持への貢献

被相続人の事業の資金を提供して財産を増やしたケース。

寄与分として認められないケース

⚠️ 以下のケースは寄与分として認められないことが多い

  • 通常の扶養義務の範囲内:配偶者・親子間の通常の生活補助・日常的な介護は扶養義務の範囲内として寄与分に含まれない
  • 精神的な支え:「そばにいてあげた」「頻繁に面会した」だけでは寄与分にならない
  • 自発的でない行為:報酬を受け取っていた場合は原則認められない
  • 貢献の証明ができない:記録・証拠がなければ主張が難しい

寄与分の計算方法

介護(療養看護)の寄与分の計算例

💡 計算式

寄与分 = 介護日数 × 介護の日当相当額 × 裁量的割合(0.5〜1.0)

:3年間(1,095日)毎日介護、日当相当額8,000円、裁量割合0.7の場合:
1,095日 × 8,000円 × 0.7 = 約613万円の寄与分

実際の計算では介護の内容・専門職への依頼を節約できた金額・継続性・専従性などを総合的に判断します。

寄与分の主張方法

まず遺産分割協議で主張する

相続人間の話し合い(遺産分割協議)の中で寄与分を主張します。他の相続人が認めれば、その金額を寄与分として分割内容に反映させます。

合意できない場合:家庭裁判所の審判

協議でまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停・審判を申し立て、その中で寄与分を主張します。

証拠の重要性

特別寄与料(相続人以外の貢献)

2019年の民法改正により、相続人ではない人(例:長男の妻)が被相続人の介護に貢献した場合も、相続人に対して「特別寄与料」を請求できるようになりました。

✅ 特別寄与料の概要

  • 対象:被相続人の親族(相続人以外)
  • 主張方法:相続人に対して協議・家庭裁判所への申立て
  • 期限:相続の開始および相続人を知った時から6ヶ月以内、または相続開始から1年以内
  • 特別寄与料を受け取った場合、相続税の申告が必要になる場合がある

まとめ

税理士 齊藤勇飛

監修:齊藤 勇飛(税理士)

齊藤勇飛税理士事務所 代表|東京地方税理士会 登録番号 第156779号

横浜市を中心に遺産相続・相続税申告を専門とする税理士。初回60分無料相談実施中。

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