「相続人の一人と30年以上連絡が取れない」「兄弟の住所が分からない」——相続手続きは相続人全員の参加が必要ですが、中には行方不明や連絡が取れない相続人がいるケースがあります。本記事ではそのような場合の対処法を解説します。
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。一人でも行方不明・参加拒否の相続人がいると、遺産分割協議が成立しません。これにより以下の問題が生じます。
行方不明の相続人の所在を調査する方法として以下があります。
従来の住所を去って行方が分からない「不在者」がいる場合、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てることができます。
💡 不在者財産管理人とは
不在者に代わって財産を管理し、家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議にも参加できる人物です。弁護士・司法書士が選任されることが多いです。
選任された不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議に参加し、協議書に署名できます。
不在者の生死が7年間不明の場合(危難(事故・災害)の場合は1年)、家庭裁判所に「失踪宣告」を申し立てることができます。失踪宣告が確定すると、不在者は死亡したものとみなされ、その相続人が相続権を持ちます。
⚠️ 失踪宣告の注意点
行方不明ではなく、相続人が認知症などで意思能力がない場合は、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てる必要があります。成年後見人が代理人として遺産分割協議に参加できます。
ただし成年後見人は本人(認知症の相続人)の利益を守る立場のため、法定相続分を大きく下回る分割には同意できません。
相続人が行方不明で遺産分割ができない場合でも、相続税の申告期限(10ヶ月)は待ってくれません。