手続き・借金

相続放棄したら借金はどうなる?連帯保証人・次の相続人への影響も解説

📅 2024-12-14✍️ 監修:齊藤 勇飛(税理士)🕐 約10分
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「親が多額の借金を残して亡くなった。相続放棄すれば借金を引き継がずに済むの?」——相続放棄は有効な手段ですが、知らなかったでは済まない落とし穴もあります。

本記事では、相続放棄したら借金がどうなるか、連帯保証債務への影響、次の順位の相続人への影響など、相続放棄に関するすべての疑問を解説します。

相続放棄とは?基本的な仕組み

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)のすべての財産と負債(借金)を一切引き継がないことを選択する手続きです。家庭裁判所に申述することで正式に認められます。

💡 相続の3つの選択肢

選択肢内容期限
単純承認プラスもマイナスもすべて引き継ぐ3ヶ月以内に何もしない→自動的に選択
相続放棄一切引き継がない3ヶ月以内に家庭裁判所に申述
限定承認プラスの範囲内でマイナスを引き継ぐ3ヶ月以内・相続人全員で申述

相続放棄したら借金はどうなる?

相続放棄をすると、被相続人の借金を一切引き継がなくて済みます。これが相続放棄の最大のメリットです。

ただし、相続放棄した人は「最初から相続人でなかった」とみなされます。そのため、相続放棄によって次の順位の相続人に借金の支払い義務が移ります

⚠️ 借金がなくなるわけではない

相続放棄をしても、借金が消えるわけではありません。次の順位の相続人(父母・兄弟姉妹など)に相続権が移り、その方々が新たに相続放棄の判断を迫られます。

連帯保証人になっている場合の注意点

相続放棄をしても、自分自身が連帯保証人になっている借金は消えません。これは非常に重要な点です。

被相続人の借金の連帯保証人になっていた場合

例えば、親の住宅ローンや事業融資の連帯保証人になっていた場合、相続放棄をしても連帯保証債務は引き継いだままになります。相続放棄によって消えるのは「相続によって引き継ぐ借金」であり、自分自身が契約した連帯保証契約は別物だからです。

⚠️ 連帯保証人の相続放棄の限界

  • 相続放棄 → 被相続人の借金の相続は回避できる ✅
  • 相続放棄 → 自分が連帯保証人として負っている保証債務は消えない ❌

相続放棄すると次の順位の相続人に影響がある

子全員が相続放棄をすると、第2順位の父母(すでに亡くなっている場合は祖父母)に相続権が移ります。さらに父母も放棄すると、第3順位の兄弟姉妹に移ります。

✅ 相続放棄する際は親族への連絡を忘れずに

子全員が相続放棄をする場合、親や兄弟姉妹に事前に連絡しておかないと、突然「相続人になった」という通知が届いて驚かせてしまいます。必ず事前に相談・連絡を行いましょう。

次の順位の相続人が相続放棄する期限

次の順位の相続人が相続放棄できる期間は、「自分が相続人になったことを知った日から3ヶ月以内」です。子が放棄した日からではなく、自分が相続人になったことを知った日が起算点になります。

相続放棄の手続きと期限

申述先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書と必要書類を提出します。

期限

「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」。この期限は家庭裁判所に申立てることで延長できる場合があります。

必要書類(子が放棄する場合)

費用

申請費用は収入印紙800円+郵送費のみ。弁護士・司法書士に依頼した場合は別途3〜5万円程度かかります。

相続放棄できないケース

⚠️ 「葬儀費用のために口座からお金を引き出した」場合

被相続人の口座から葬儀費用を引き出すことは、状況によっては「財産の処分」とみなされて相続放棄できなくなる可能性があります。引き出す前に専門家に相談することをお勧めします。

相続放棄後も残る義務・注意点

財産の管理義務

相続放棄をした場合でも、次の相続人が財産の管理を始めるまでは、その財産を適切に管理する義務が残ります(民法940条)。放棄したからといってすぐに管理責任がなくなるわけではありません。

固定資産税

相続放棄後も、名義変更が完了するまでは固定資産税の請求が来ることがあります。役所への通知が必要な場合があります。

相続放棄すべきかどうかの判断基準

📌 相続放棄を検討すべきケース

  • 借金がプラスの財産を明らかに上回っている場合
  • 借金の全容が不明で調査に3ヶ月以上かかりそうな場合(期間延長の申立てを検討)
  • 被相続人が事業者で多額の連帯保証債務がある場合

✅ 相続放棄を慎重に検討すべきケース

  • 不動産など評価が難しい財産がある場合(売却すれば借金を上回る可能性)
  • 生命保険金・退職金など「相続財産に含まれない財産」がある場合
  • 被相続人が所有する自宅に相続人が住んでいる場合

限定承認という選択肢

「財産がプラスかマイナスかわからない」という場合に有効なのが限定承認です。相続したプラスの財産の範囲内でのみ借金を引き継ぐ方法で、プラスが多ければ遺産を受け取れ、マイナスが多くても超過分を払う必要がありません。

ただし、相続人全員が共同で申述する必要があり、手続きが複雑なため弁護士への依頼が一般的です。

まとめ

税理士 齊藤勇飛

監修:齊藤 勇飛(税理士)

齊藤勇飛税理士事務所 代表|東京地方税理士会 登録番号 第156779号

横浜市を中心に遺産相続・相続税申告を専門とする税理士。初回60分無料相談実施中。

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