「亡くなった親がネットバンクの口座を持っていたけど、パスワードが分からない」「暗号資産(仮想通貨)があったと聞いていたけど、どこに保管されているか不明」——デジタル遺産は、従来の相続手続きでは見落とされやすく、相続税の申告漏れにもつながります。本記事でデジタル遺産の種類と対処法を解説します。
デジタル遺産とは、デジタル上に存在する財産的価値のある資産のことです。
| 種類 | 具体例 | 相続税 |
|---|---|---|
| ネットバンク | 楽天銀行・住信SBIネット銀行・PayPay銀行 | 課税対象 |
| ネット証券 | SBI証券・楽天証券・松井証券 | 課税対象 |
| 暗号資産 | ビットコイン・イーサリアムなど | 課税対象 |
| FX口座 | DMM FX・GMOクリック証券など | 課税対象 |
| 電子マネー残高 | PayPay・楽天ペイ・Suicaなど | 原則課税対象 |
| ポイント | 楽天ポイント・Tポイントなど | 換金性によって判断 |
| SNS・ブログ収益 | YouTube収益・ブログ広告収益 | 課税対象(未払い分) |
| 有料サービス | Netflix・Spotify・Adobe CCなど | 財産ではない(解約が必要) |
デジタル遺産は通帳・証券口座と異なり、物理的な証拠が少ないため見落としやすいです。以下の方法で調査します。
ネットバンクやネット証券の相続手続きは、通常の銀行・証券会社と基本的に同様です。
⚠️ パスワードが分からない場合
ログインできなくても、金融機関に死亡を申告することで相続人として手続きができます。不正アクセスを避けるため、故人のIDとパスワードを使ってログインすることは避けましょう。
暗号資産の相続は通常の金融資産より複雑です。
国内取引所(コインチェック・GMOコインなど)に口座がある場合は、取引所に死亡の連絡をして相続手続きを進めます。
本人がハードウェアウォレットや秘密鍵で管理している場合、秘密鍵・シードフレーズ(12〜24個の英単語)がないとアクセスできません。これらが分からない場合、暗号資産は永久に失われます。
⚠️ 相続税評価額の計算
暗号資産の相続税評価額は相続開始時(死亡時)の時価です。価格が激しく変動するため、死亡時点の価格を正確に把握することが重要です。
含み損益がある場合は確定損益として計算します。未決済のポジションは相続人が引き継げない場合が多く、取引所が強制決済することがあります。
多くのサービスで「ポイントは相続人に引き継ぎ不可」とされています。サービスごとの規約を確認し、可能な場合はポイント消費や換金を相続前に行うことも検討します。
ネットバンクの預金・暗号資産・FXの評価額は相続税の課税対象です。調査が不十分で申告漏れが発覚すると追徴課税の対象になります。
⚠️ 税務署はデジタル資産も把握できる
国内の暗号資産取引所・金融機関は税務署への報告義務があります。申告漏れは発覚する可能性が高いです。