「相続税って何パーセントかかるの?」という疑問をよく耳にします。相続税は一律の税率ではなく、取得金額が大きいほど税率が高くなる「累進課税」が採用されています。本記事では相続税の税率・速算表・計算方法を具体例を交えてわかりやすく解説します。
相続税の税率は、各相続人が法定相続分で取得したと仮定した金額(課税遺産総額を法定相続分で按分した額)に応じて、10%〜55%の8段階で設定されています。
重要なのは、遺産総額全体に55%がかかるわけではないという点です。取得金額に応じて段階的に税率が上がるため、実際の負担率は税率よりも低くなります。
📌 相続税の速算表(2024年現在)
| 法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | — |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
速算表の「控除額」は、累進計算を簡便にするための調整額です。「取得金額 × 税率 − 控除額」で税額を計算します。
遺産総額(プラスの財産)から、非課税財産・債務・葬儀費用・基礎控除を差し引きます。
課税遺産総額 = 遺産総額 − 非課税財産 − 債務・葬儀費用 − 基礎控除(3,000万円+600万円×相続人数)
課税遺産総額を各相続人の法定相続分で按分し、速算表を使って各人の仮の税額を計算します。
STEP 2で計算した各人の仮税額を合計して「相続税の総額」を求めます。
STEP 3の相続税総額を、実際の遺産取得割合で各相続人に按分します。
配偶者控除・未成年者控除・障害者控除・2割加算などを適用して最終的な納付税額を確定します。
💡 計算の流れ
① 基礎控除:3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円
② 課税遺産総額:8,000万円 − 4,200万円 = 3,800万円
③ 法定相続分で按分:
配偶者(1/2):3,800万円 × 1/2 = 1,900万円
子(1/2):3,800万円 × 1/2 = 1,900万円
④ 速算表で仮税額を計算(各1,900万円の場合、税率15%・控除50万円):
各人:1,900万円 × 15% − 50万円 = 235万円
相続税の総額:235万円 × 2 = 470万円
⑤ 配偶者控除の適用:配偶者の取得額が1億6千万円以下のため、配偶者の税額はゼロ
子の納付税額:470万円 × 1/2 = 235万円
被相続人の一親等の血族(父母・子)と配偶者以外の人が相続または遺贈により財産を取得した場合、相続税額が2割加算されます。
⚠️ 2割加算の対象者
孫養子も2割加算の対象です(相続税の節税のため孫を養子にするケースへの対策)。
| 控除の種類 | 内容 | 控除額 |
|---|---|---|
| 配偶者の税額軽減 | 配偶者が相続した財産への軽減 | 1億6千万円または法定相続分のいずれか大きい額まで非課税 |
| 未成年者控除 | 未成年の相続人への控除 | (18歳 − 相続時の年齢)× 10万円 |
| 障害者控除 | 障害者の相続人への控除 | (85歳 − 相続時の年齢)× 10万円(特別障害者は20万円) |
| 贈与税額控除 | 相続前の贈与に係る贈与税との二重課税回避 | 既払の贈与税額 |
| 外国税額控除 | 海外財産への外国相続税との二重課税回避 | 外国で課税された相続税相当額 |
「最高税率55%」と聞くと驚く方も多いですが、実際の負担率(実効税率)はそれよりかなり低くなります。基礎控除・各種控除・特例の適用後の遺産総額に対する税額の割合が実効税率です。
💡 遺産総額別の実効税率の目安(相続人:子2人の場合)
| 遺産総額 | 相続税額(目安) | 実効税率 |
|---|---|---|
| 5,000万円 | 約160万円 | 約3.2% |
| 1億円 | 約770万円 | 約7.7% |
| 2億円 | 約3,340万円 | 約16.7% |
| 3億円 | 約6,920万円 | 約23.1% |
| 5億円 | 約1億5,210万円 | 約30.4% |
ご自身の相続税がいくらになるか、まずは無料シミュレーターでお試しください。