「相続税は高い」「どうにかして減らせないか」——相続税の負担を軽くしたいという気持ちは誰でも持つものです。しかし、節税と脱税は全く異なります。本記事では合法的に相続税を減らす10の方法を税理士が解説します。
重要なのは、節税対策のほとんどは生前に行う必要があるということです。相続が発生してからでは使えない対策も多いため、早めの準備が大切です。
贈与税には毎年110万円の基礎控除があります。1年間に110万円以内であれば贈与税がかかりません。これを活用して毎年少しずつ財産を移転することで、相続財産を減らします。
💡 暦年贈与の効果
子2人・孫2人に毎年110万円ずつ贈与すると、年間440万円を非課税で移転できます。10年間継続すれば4,400万円を相続財産から減らせます。
⚠️ 2024年改正:加算期間が7年に延長
2024年1月以降の贈与は、相続開始前7年以内の分が相続財産に加算されます(延長4年分は総額100万円を控除)。長期的な計画が重要です。
被相続人が住んでいた自宅の土地を一定の要件を満たす相続人が相続した場合、330㎡まで評価額を80%減額できます。横浜市内の土地は評価額が高いため、この特例の効果は絶大です。
例えば評価額5,000万円の土地に特例を適用すると、1,000万円の評価額で相続税を計算できます(4,000万円の減額)。
配偶者が相続した財産が1億6千万円以下、または法定相続分以下であれば、相続税がかかりません。一次相続での節税効果は大きいですが、二次相続(配偶者が亡くなったとき)での税負担増加も考慮する必要があります。
死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。現金で保有するより生命保険に転換することで、同じ金額でも相続税がかかる部分を減らせます。
✅ 計算例:相続人3人の場合
非課税枠:500万円 × 3人 = 1,500万円
1,500万円の死亡保険金は相続税がかかりません。
死亡退職金にも生命保険と同様に「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。会社経営者の方は退職金の受け取り方を工夫することで節税できる場合があります。
現金をそのまま相続すると額面通りの評価ですが、不動産(特にマンション)に変換すると相続税評価額は時価より低くなる場合があります。ただし、過度な節税目的の不動産購入は税務当局に否認されるリスクがあります(2023年の最高裁判決・2024年改正通達に注意)。
60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、累計2,500万円まで贈与税がかからない制度です。2024年以降は毎年110万円の基礎控除も追加されました。ただし相続時に精算されるため、タイミングと活用目的を慎重に検討する必要があります。
いずれも金融機関との専用口座が必要で、使途の証明書類が求められます。
一次相続(夫が亡くなる)と二次相続(妻が亡くなる)の合計税負担を最小化するために、一次相続での遺産分割を工夫します。配偶者控除を使いすぎると二次相続で税負担が大きくなるため、一次相続で子にも適度に相続させることが重要です。
土地の相続税評価は、形状・間口・奥行き・傾斜・私道などの補正を適切に適用することで評価額を下げられます。特に横浜市内は傾斜地・不整形地が多く、地元の不動産評価に精通した税理士に依頼することが節税につながります。
💡 「払いすぎた相続税」は取り戻せる
過去5年以内(更正の請求期限内)に申告した相続税について、土地評価の見直しにより過払いが判明した場合は還付を受けられます。専門家によるセカンドオピニオンも有効です。
⚠️ 節税対策で注意すべきこと
相続税の節税対策は個々の財産状況・家族構成・将来計画によって最適解が異なります。まずは現状の相続税を把握するために、無料シミュレーターをご活用ください。