「まさかうちの家族が相続でもめるとは思わなかった」——相続トラブルは決して他人事ではありません。家庭裁判所の遺産分割審判の申立て件数は毎年1万件以上にのぼり、その多くは遺産総額5,000万円以下の一般的な家庭で起きています。
本記事では、相続トラブルを事前に防ぐための5つの具体的な方法を解説します。
相続トラブルの主な原因は以下の通りです。
⚠️ 「うちは仲がいいから大丈夫」は禁物
家庭裁判所の統計によると、遺産分割調停・審判の申立てのうち約3/4は遺産5,000万円以下の案件です。「財産が少ないからトラブルにならない」は誤解です。むしろ財産が少ない場合の方が、各自の取り分が小さくなるため争いになりやすい面があります。
相続トラブルを防ぐ最も確実な方法が遺言書の作成です。遺言書があれば、原則として遺言の内容に従って遺産が分配されます。
公証人が作成し公証役場に保管される公正証書遺言は、以下の理由で最も確実です。
💡 遺留分に注意
遺言書で特定の相続人に多く渡す場合でも、他の相続人には「遺留分」(最低限の相続権)が保障されています。遺留分を侵害する内容の遺言は、後から遺留分侵害額請求をされるリスクがあります。
親が元気なうちに、相続について家族全員で話し合う機会を作ることが重要です。「相続の話をするのは縁起が悪い」という感覚がある方も多いですが、生前の話し合いがトラブルを最も効果的に防ぎます。
相続が発生する前に、生前贈与で少しずつ財産を渡しておくことで、相続財産を減らしながら子どもたちへの分配を公平にできます。
ただし、特定の相続人への過度な生前贈与は「特別受益」として後から問題になる場合があります。生前贈与をする際は、どの子にどれだけ贈与したかを記録しておきましょう。
財産の全容が不明なことが相続トラブルの一因になります。エンディングノートや財産目録を作成して、家族が財産を把握できるようにしておきましょう。
相続は法律・税金・不動産評価など複雑な問題が絡み合います。専門家に相談することで、相続税の節税対策と公平な遺産分割を同時に実現できます。
✅ 相談すべき専門家の選び方
預貯金が少なく不動産(実家)だけが主な遺産の場合、売却派・維持派に分かれてトラブルになりやすいです。遺言書で「長男が取得し、他の相続人には代償金を払う」などと決めておくことが有効です。
家業の株式・事業用不動産が遺産に含まれる場合、事業を引き継がない兄弟への対応が問題になります。事業承継税制の活用と遺言書の組み合わせが重要です。
親が再婚している場合、前婚・後婚の子どもが相続人になるため関係が複雑になりがちです。遺言書で明確にしておくことが特に重要です。
すでに遺産分割でもめてしまった場合の解決手順は以下の通りです。