不動産・売却

相続した不動産を売却するときの税金と節税方法【譲渡所得税・特別控除】

📅 2024-12-12✍️ 監修:齊藤 勇飛(税理士)🕐 約10分
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相続した実家や土地を売却しようとしたとき、「税金がかかるの?」「いくらになるの?」と不安になる方が多いです。相続した不動産の売却には譲渡所得税がかかりますが、様々な節税特例を活用することで大幅に税負担を減らせます。

本記事では、相続した不動産を売却した際の税金の計算方法と主要な節税特例を解説します。

相続した不動産を売却すると何の税金がかかる?

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税(所得税+住民税)がかかります。相続した不動産でも例外ではありません。

💡 譲渡所得税の税率

所有期間所得税住民税合計税率
5年以下(短期)30%9%39.63%(復興特別所得税含む)
5年超(長期)15%5%20.315%(復興特別所得税含む)

※所有期間は相続した日ではなく、被相続人が取得した日から計算します。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用

⚠️ 取得費不明の場合は売却価格の5%で計算

購入時の契約書が見つからない場合など取得費が不明なときは、売却価格の5%を取得費として使えます(概算取得費)。ただし実際の取得費がある場合は高い方を使えます。

相続した不動産の「取得費」の考え方

相続した不動産の取得費は、被相続人(亡くなった方)が購入した時の価格が引き継がれます。これを「取得費の引継ぎ」といいます。

📌 取得費の計算例

  • 被相続人が30年前に2,000万円で購入した土地
  • 相続人が5,000万円で売却
  • 譲渡所得:5,000万円 − 2,000万円(取得費)− 200万円(譲渡費用)= 2,800万円
  • 税額(長期所有):2,800万円 × 20.315% ≒ 569万円

取得費が低いほど譲渡所得が大きくなり、税負担が重くなります。だからこそ節税特例の活用が重要です。

節税特例①:取得費加算の特例

相続税を支払った場合、一定額を売却時の取得費に加算できます。これにより譲渡所得が減り、譲渡所得税を抑えられます。

✅ 適用条件

  • 相続・遺贈によって取得した財産であること
  • 相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却すること
  • 相続税を支払っていること

取得費に加算できる金額:支払った相続税額 × (売却した不動産の相続税評価額 ÷ 相続した全財産の相続税評価額)

節税特例②:空き家の3,000万円特別控除

被相続人が一人で住んでいた実家(空き家)を相続し、売却した場合に使える特例です。

✅ 空き家特例の主な要件

  • 1981年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震)
  • 相続開始直前まで被相続人が一人で居住していたこと
  • 相続から売却まで空き家のままであること(賃貸・事業に使用していない)
  • 耐震改修を行うか、建物を取り壊してから土地を売却すること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること

この特例を適用すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。

節税特例③:居住用財産の3,000万円特別控除

相続後に自分が住んでいた不動産を売却する場合は、一般の居住用財産の3,000万円特別控除も利用できます。ただし空き家特例との重複適用には制限があります。

節税特例④:軽減税率の特例(所有10年超)

被相続人の取得時からの所有期間が10年を超える居住用財産を売却する場合、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分は税率が軽減されます(所得税10%・住民税4%)。3,000万円特別控除と組み合わせて使えます。

複数の特例の併用と注意点

⚠️ 特例の選択・確定申告が必要

  • 各特例には適用要件・期限があり、申告書への記載が必要
  • 取得費加算の特例と空き家特例は同一物件に重複適用できない(有利な方を選択)
  • 譲渡所得がマイナス(損失)でも確定申告することで他の所得との損益通算が可能な場合がある

相続税と譲渡所得税のどちらを優先して考えるべきか

相続対策を考える際、「相続税を減らすために不動産を買う」という方法がありますが、後で売却する際の譲渡所得税とのトレードオフを考える必要があります。相続税と譲渡所得税を合わせた総税負担を最小化する視点が重要です。

まとめ

税理士 齊藤勇飛

監修:齊藤 勇飛(税理士)

齊藤勇飛税理士事務所 代表|東京地方税理士会 登録番号 第156779号

横浜市を中心に遺産相続・相続税申告を専門とする税理士。初回60分無料相談実施中。

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