相続した実家や土地を売却しようとしたとき、「税金がかかるの?」「いくらになるの?」と不安になる方が多いです。相続した不動産の売却には譲渡所得税がかかりますが、様々な節税特例を活用することで大幅に税負担を減らせます。
本記事では、相続した不動産を売却した際の税金の計算方法と主要な節税特例を解説します。
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税(所得税+住民税)がかかります。相続した不動産でも例外ではありません。
💡 譲渡所得税の税率
| 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|
| 5年以下(短期) | 30% | 9% | 39.63%(復興特別所得税含む) |
| 5年超(長期) | 15% | 5% | 20.315%(復興特別所得税含む) |
※所有期間は相続した日ではなく、被相続人が取得した日から計算します。
譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用
⚠️ 取得費不明の場合は売却価格の5%で計算
購入時の契約書が見つからない場合など取得費が不明なときは、売却価格の5%を取得費として使えます(概算取得費)。ただし実際の取得費がある場合は高い方を使えます。
相続した不動産の取得費は、被相続人(亡くなった方)が購入した時の価格が引き継がれます。これを「取得費の引継ぎ」といいます。
📌 取得費の計算例
取得費が低いほど譲渡所得が大きくなり、税負担が重くなります。だからこそ節税特例の活用が重要です。
相続税を支払った場合、一定額を売却時の取得費に加算できます。これにより譲渡所得が減り、譲渡所得税を抑えられます。
✅ 適用条件
取得費に加算できる金額:支払った相続税額 × (売却した不動産の相続税評価額 ÷ 相続した全財産の相続税評価額)
被相続人が一人で住んでいた実家(空き家)を相続し、売却した場合に使える特例です。
✅ 空き家特例の主な要件
この特例を適用すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
相続後に自分が住んでいた不動産を売却する場合は、一般の居住用財産の3,000万円特別控除も利用できます。ただし空き家特例との重複適用には制限があります。
被相続人の取得時からの所有期間が10年を超える居住用財産を売却する場合、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分は税率が軽減されます(所得税10%・住民税4%)。3,000万円特別控除と組み合わせて使えます。
⚠️ 特例の選択・確定申告が必要
相続対策を考える際、「相続税を減らすために不動産を買う」という方法がありますが、後で売却する際の譲渡所得税とのトレードオフを考える必要があります。相続税と譲渡所得税を合わせた総税負担を最小化する視点が重要です。