近年、株式や投資信託などの金融資産を保有する高齢者が増えており、相続財産に有価証券が含まれるケースも多くなっています。「証券口座ってどうやって相続するの?」「相続税の評価額はどうやって計算するの?」という疑問を持つ方のために、詳しく解説します。
被相続人が証券口座を持っていた場合、まず各証券会社に死亡の連絡をします。連絡後、証券会社は口座を「相続手続き中」の状態にし、売買・払い出しが制限されます。
どの証券会社に口座を持っているか不明な場合は、以下の方法で確認します。
⚠️ 各証券会社ごとに手続きが必要
口座が複数の証券会社にある場合、それぞれに対して個別に手続きが必要です。書類のフォーマットも各社で異なります。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 証券会社所定の相続手続き依頼書 | 各証券会社から取り寄せる |
| 被相続人の出生〜死亡の戸籍謄本 | 連続したものが必要 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 相続人の確認のため |
| 遺産分割協議書(または遺言書) | 相続人全員の実印・印鑑証明書を添付 |
| 相続する相続人の本人確認書類 | マイナンバーカード・運転免許証など |
| 移管先証券口座の情報 | 相続人名義の口座番号など |
上場株式(東京証券取引所などに上場している株式)の相続税評価額は、以下の4つの価格のうち最も低い価格を使います。
📌 上場株式の評価方法
| 評価方法 | 具体的な価格 |
|---|---|
| ①相続開始日の終値 | 被相続人が亡くなった日の最終取引価格 |
| ②相続開始月の毎日の終値の平均 | 亡くなった月の月平均株価 |
| ③相続開始前月の毎日の終値の平均 | 亡くなった前月の月平均株価 |
| ④相続開始前々月の毎日の終値の平均 | 亡くなった2ヶ月前の月平均株価 |
最も低い価格を評価額として使うことで、相続税を抑えることができます。各証券会社・日本証券業協会で確認できます。
投資信託の評価額は、相続開始時点の基準価格(1口あたりの価値)× 口数で計算します。上場投資信託(ETF)は上場株式と同様の方法で評価します。
💡 MRF・MMFの評価
証券口座にある現金に近い商品(MRF・MMF)は、相続開始時点の解約請求価格で評価します。証券会社から「相続開始日の残高証明書」を取得して申告します。
上場していない同族会社などの株式(非上場株式)の評価は非常に複雑です。主に以下の2つの方法で評価します。
中小企業の株式を相続した場合は、評価が非常に複雑なため、必ず税理士に依頼してください。
相続開始後に支払われた配当金は、遺産分割が確定するまでの間は相続人全員の共有財産です。誰が受け取るかは遺産分割協議で決めます。
相続手続き中も株価は変動します。相続税の申告期限(10ヶ月)までに手続きを完了させ、必要であれば売却を検討しましょう。
被相続人のNISA(少額投資非課税制度)口座内の株式等は、相続人のNISA口座に移すことはできません。課税口座(特定口座・一般口座)に移管されます。
外国の証券会社に口座がある場合や外国株式を保有している場合は、手続きが複雑になります。相続税の申告でも外国為替レートを使った換算が必要です。