親が所有するアパートやマンションを相続する場合、相続税の計算が通常の土地・建物とは異なります。賃貸不動産(貸家・貸家建付地)には特別な評価方法があり、適切に活用することで相続税を大幅に節税できます。
アパート・マンションなど賃貸物件は、入居者の権利(借家権)が付いているため、自用地(自分で使っている土地)よりも評価額が低くなります。
📌 評価額が下がる仕組み
入居者がいる(賃貸中)→ 所有者が自由に使えない → 評価額を減額する
→ 自用地評価より土地は約20〜24%、建物は30%程度評価が下がる
アパートが建っている土地を「貸家建付地」といいます。評価額は以下の計算式で求めます。
💡 貸家建付地の計算式
貸家建付地評価額 = 自用地評価額 × (1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
計算例:自用地評価額5,000万円、借地権割合70%、賃貸割合100%の場合
5,000万円 × (1 − 0.7 × 0.3 × 1) = 5,000万円 × 0.79 = 3,950万円(1,050万円の減額)
賃貸中の建物(貸家)の評価は以下の計算式です。
貸家評価額 = 固定資産税評価額 × (1 − 借家権割合 × 賃貸割合)
💡 計算例
固定資産税評価額3,000万円、借家権割合30%、賃貸割合100%の場合:
3,000万円 × (1 − 0.3 × 1) = 3,000万円 × 0.7 = 2,100万円(900万円の減額)
アパート・マンションの敷地は「貸付事業用宅地等」として小規模宅地等の特例が適用できる場合があります。
✅ 貸付事業用宅地等の特例
⚠️ 3年以内の新規購入に注意
相続開始前3年以内に新たに取得した貸付事業用宅地は、一定の要件を満たさない限り特例の対象外となります(2018年改正)。相続直前の節税目的のアパート購入には注意が必要です。
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 継続して賃貸経営する | 安定収入・相続税の軽減効果が続く | 管理コスト・老朽化リスク |
| 売却する | まとまった現金化・管理から解放 | 譲渡所得税がかかる |
| 建て替え・リノベーション | 収益改善・資産価値向上 | 多額の費用が必要 |