「相続税を申告したけど、後から税務調査が来たらどうしよう…」という不安を抱えている方は少なくありません。本記事では、相続税の税務調査の実態と調査対象になりやすい人の特徴、事前対策を税理士の視点から解説します。

相続税の税務調査とは?発生率はどのくらい?

相続税の税務調査とは、申告された相続税の内容が正しいかどうかを税務署の職員が確認に来ることです。一般的には申告から1〜2年後に連絡が来ることが多く、任意調査(事前通知あり)が大半を占めます。

📊 相続税の税務調査の実態

  • 実地調査の件数:年間約1万件前後
  • 申告件数に対する調査割合:約4〜5%
  • 調査で申告漏れが見つかる割合:約85%
  • 1件あたりの追徴税額平均:数百万円規模

調査対象になりやすい人の特徴7つ

遺産総額が大きい(1億円超)
生前に多額の預金引き出しがある
不動産の評価が低すぎる
名義預金・名義株がある
税理士なしで自分で申告した
相続人間でもめた形跡がある
生前贈与の記録が不明確

① 生前に多額の現金引き出しがある

被相続人の銀行口座から、死亡前数年間に大きな金額が引き出されている場合、税務署は「申告されていない現金・財産があるのでは」と疑います。引き出した資金の用途を説明できる書類を残しておくことが重要です。

② 名義預金・名義株の存在

子や孫の名義で作られた預金でも、実質的に被相続人が管理・運用していた場合は「名義預金」として相続財産に含まれます。名義預金は税務調査で最も頻繁に指摘される項目の一つです。

③ 不動産評価が著しく低い

独自の低い評価額を使って申告しているケースが疑われます。適正な評価方法と根拠資料の整備が求められます。

④ 税理士なしで自己申告した

税理士が関与していない申告は記載ミス・漏れが起きやすいため調査対象になりやすい傾向があります。

調査で指摘されやすい典型的な問題点

指摘項目内容対策
名義預金の申告漏れ家族名義の口座が実質的な被相続人の財産とみなされる贈与契約書・通帳の保管
現金・タンス預金自宅に保管されていた現金が申告されていない現金の所在と金額を記録
生前贈与の加算漏れ相続開始前3〜7年の贈与が加算されていない贈与税申告書の保管
保険金の申告漏れ生命保険の死亡保険金が申告されていない全保険証券の確認
有価証券の見落とし証券会社口座や株の申告漏れ残高証明書の取得

税務調査が入った場合の流れ

  1. 事前通知:税務署から調査日程の連絡が来る(約1〜2ヶ月前)
  2. 準備期間:申告書・添付資料・通帳などを整理する
  3. 実地調査:税務署員が自宅や事務所に来訪(1〜2日程度)
  4. 追加資料の提出:調査後に質問や資料の追加提出を求められることも
  5. 修正申告または更正:申告漏れがあれば修正申告・追徴税額の納付

⚠️ 税理士なしで調査を受けるリスク

税務調査に税理士なしで対応すると、不利な状況になりやすいケースがあります。調査の連絡が来た際はすぐに税理士に相談することをおすすめします。

調査リスクを下げるための事前対策

① 相続開始直後から書類を整理・保管する

被相続人の通帳・証券口座・不動産権利証・生命保険証書などを一箇所にまとめ、7年分の入出金記録を保管しておきましょう。相続手続きチェックリストも参考にしてください。

② 生前贈与は必ず贈与契約書を作成する

口頭での贈与は後で証明が難しくなります。贈与のたびに贈与契約書を作成し、受け取った側の口座に振り込む形で記録を残すことが重要です。

③ 税理士に依頼して正確な申告をする

最も効果的な調査リスク対策は、最初から税理士に依頼して正確な申告を行うことです。

✅ 当事務所の税務調査対応サポート

  • 申告前の財産棚卸し・書類整備のサポート
  • 税務調査の立会い・交渉代理
  • 修正申告が必要な場合の対応
  • 過去の申告内容のチェック(セカンドオピニオン)

まとめ:正確な申告が最大の防御

相続税の税務調査は「申告した方にも来る可能性がある」ものです。しかし、適正な評価と根拠資料の整備を行った正確な申告であれば、調査が入っても問題なく対応できます。

税理士 齊藤勇飛

監修:齊藤 勇飛(税理士)

齊藤勇飛税理士事務所 代表|東京地方税理士会 登録番号 第156779号

正確な申告による税務調査リスクの軽減と、調査立会いサポートにも対応。

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